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多肉植物、塊根植物を科学的にベストな育成方法を考えるブログです。個人輸入、発根管理についての情報の発信しています。育成ライトの研究実施中!

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植物育成ライトのベストな照射時間を科学的に考察する

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植物育成ライトの照射時間がどれくらいが文献を調べ

科学的にベストを考えます。

 

私が育てている植物は、

多肉植物(CAM型植物)なので、それを中心に考察します。

 

 

★この記事を読んでわかること★

  • 成長のためのベストの時間

 

※素人が文献を読み書いていますので間違いがあるかもしれません。参考程度にして頂き、深く知りたい方は一次文献の確認お願いします。

 

 

結論

  • 24時間照射はNG
  • 10-11時間ぐらいがベストかも

 

 

目次

 

 

植物のサーカディアンリズムの判断要素

動物、植物、菌類、藻類(以上、真核生物)、光合成細菌(原核生物)を含むほとんどすべての生物には概日リズム(circadian rhythm)とよばれる約24時間周期で変動する生理現象が観察されます。概日リズムは生物が昼夜の交代や季節の移ろいという地球環境の周期的変化に適応するうえで、優位性をもたらす生命機能であると考えられています。概日リズムの種類は生物種によって多様ですが(例えば、哺乳動物では体温、睡眠覚醒、ホルモンの分泌、摂食など、高等植物では胚軸の伸長、葉の就眠運動、気孔開閉、光合成などが知られています。)、時間を計測するための機構として非常に重要な以下の普遍的性質を備えています。概日リズムは外部環境の変化が無くても約24時間周期のリズムが自律的に継続します。その周期は生理学的な温度範囲において、通常の化学反応と異なり、温度変化の影響をあまり受けません。光および温度による外部からの刺激などに対してリズムの位相を変化させることで昼夜の変化に同調することができます。このような特性を保持する概日リズムを生成するための発振装置としての役割を果たしているのが概日時計であり、そのなかで中心振動体として機能するタンパク質の活性および存在量の周期的変化が生物時計の振動に相当することが知られています。

引用元:https://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~microbio/research4.html

 

植物にとって光と温度は外部環境を知るための重要な情報源である。そして、こうした環境情報が概日時計を介して季節に応じた花芽形成や細胞伸長制御に利用されている。そこで、私たちは概日時計によって制御されているもう一つの生理応答である細胞伸長に着目した。

面白いことに、花芽形成の場合と異なり、表皮の概日時計機能を阻害した系統で顕著な細胞伸長が見られた。一方で、花芽形成に重要であった維管束の概日時計機能を阻害した系統では細胞伸長は全く正常であった。このことは、少なくとも維管束と表皮の概日時計は花芽形成と細胞伸長という異なる生理応答をそれぞれ司っていることを示している。

維管束の時計は季節(日の長さ)に応じて花成を制御していた。では、表皮の時計は何に応じて細胞伸長を制御しているのだろうか。感の鋭い方はすでに予想がついているかもしれない。そう、光と並んで重要な環境情報である温度を利用しているのである(図4)。

引用元:https://synodos.jp/opinion/science/16334/

 

ベンケイソウ型酸代謝(crassulacean acid metabolism ; CAM)を行う植物。ベンケイソウ科(Crassulaceae)をはじめ、サボテン科、リュウゼツラン科など多肉植物の多くが含まれる。CAM植物は多くの植物と異なり、昼間に気孔を閉じて水分の蒸散を防ぎ、夜間に気孔を開くことで、生育地である砂漠などの乾燥地帯に適応している。光合成を行う組織でこの生成物であるリンゴ酸は、夜間に蓄積され昼間に消失する。二酸化炭素の取り込みは夜間に行われる。いずれも乾燥地の生育に適応したものである。

引用元:https://imidas.jp/genre/detail/K-130-0098.html

 

植物にも一日のリズムがあります。

昼夜を判断しています。

それを判断するのは、

上記のサイトによると主に温度と光となります。

 

CAM型光合成の植物は夜に二酸化炭素を取り込み、

リンゴ酸に変換し昼まで貯蔵されます。

そして、朝になるとそのリンゴ酸を使い光合成を始めます。

このように昼と夜では植物の仕事が変わります。

そのため昼と夜を判断する必要があります。

 

CAM型光合成について詳細に書いた記事はこちら

andplants.hatenablog.com

 

 

 

植物育成ライトの照射時間

では、照射時間は何時間にするのが良いのでしょうか?

 

ファレノプシスの論文

下記はCAM植物ファレノプシスについて論文の抜粋です。

 

本実験ではCO2吸収は、13時間で飽和あるいは低下した。この結果はKawamitu ら(1995)の結果と一致する。夜間のCO2施肥は13時間が効果的で実際的と思われる。

引用元:CAM型植物であるファレノプシスのCO2吸収の様相

http://www5b.biglobe.ne.jp/~i5825/NIOC2010/7%20Ichihashi.pdf

 

これを見ると、

13時間までは二酸化炭素を吸収し、

その後飽和してきています。

 

 

パインアップルの論文

日照時間確認結果の抜粋。

日長がCAM型光合成に及ぼす影響 パインアップルのCAM型CO_2交換は, 短日条件下で活発になった。短日条件下においては1日のCO_2収支が増大し, この増大はphase 1のCO_2収支の増大を通して行なわれた。長日条件下においては, phase 4でのCO_2吸収速度が活発になったが, 1日のCO_2収支は低下した。短日条件下におけるCO_2吸収の増大は, phase 1における葉内のCO_2固定能力の増大に由来していることが明らかになった。

 

実験は以下の条件で比較試験を実施。各条件での二酸化炭素の吸収量を測定している。

  • 短日条件:日照10時間
  • 中間条件:日照12時間
  • 長日条件:日照14時間

この条件の比較で最も二酸化炭素を吸収した条件が短日条件となったとのことです。

短日条件だと夜間の二酸化炭素の吸収が最大になるためです。

 

ってことは、

短日条件(日照10時間)が二酸化炭素吸収量が最大となる

ってことですね。

日照時間が10時間ってことは

夜が14時間ってことになりますね。

 

 

日照時間以外の要素

紹介した2つの論文を見ると日照時間以外の要素も重要になってくるようです。

なのでベストな時間は他の要素にも影響してくように思います。

 

紹介されていた要素は以下の二つです。

 

 

ちなみに、

二酸化炭素濃度は下記の商品で上げることができそう。

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消し忘れ対策

おまけの項目です。

 

日照時間を調整するためにはタイマーは必須です。

ですが、

デジタルの安いタイマーは壊れることが多いみたいです。

 

壊れたら悲惨です。

24時間あたり続けると葉焼けしてしまうことが多いです。

 

なので、

Panasonicのアナログのタイマーを私は使用しています。

 

たぶん、

こっちの方が壊れにくいと思う。

↓これ

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理由は、

ダイヤルがグルグル回って、

ON,OFF用の爪に当たって物理的にON,OFF動作するからです。

壊れる部品が少ないと思われます。

 

 

 

CAM型植物はどの品種なのか

ベンケイソウ科

パインアップル科

リュウゼツラン(アガベ)科

サボテン科

 

グラキリスはCAM型がなのか?

どっちか分からない。。。

 

↓このサイトではCAMではないと言っています。

https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=5047

 

↓このサイトではCAM植物になってる。

グラキリスの光合成と鉢について考える - 植物日誌

 

どちらも一次文献を私が読んだわけではないので

分かりませんが。。。

 

時間があるときに調べます。

 

 

まとめ

照射時間だけにフォーカスすると、

  • 10-13時間

が良さそうです。

 

私は、

夏は13時間

冬は11時間に設定しています。

 

夜の長さを確認して

花を咲かせたりするためです。

なので、時間は一定にはしていません。

 

植物にあったより良い環境を作ってあげたいので

調査はまだまだしたいと思います。

 

調べて欲しいことや、

疑問に思うことがあれば連絡頂けると嬉しいです。

ヨロシクです~

 

ちなみに私が、

よく参考にしている本はこちらです。オススメです!

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感想(2件)

 

 

参考文献

植物時計のしくみとはたらき - 名古屋大学 ゲノム情報機能学研究分野

植物は時間をどこで測っているのか/遠藤求 - SYNODOS

CAM植物 | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス

http://www5b.biglobe.ne.jp/~i5825/NIOC2010/7%20Ichihashi.pdf

 

 

 

↓最近はこの2種類ライトが好きです。赤青のバランスがいいです。

↓ファンの音が気になる人はこちら

 

 

andplants.hatenablog.com

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