
and Plantsです。
海外のナーセリーより、待望の新たな種子(Seeds)が到着しました。
今回輸入したのは、昨今のブームに乗ったポップで可愛い植物たちではありません。
自生地の過酷な環境を生き抜き、独特の進化を遂げた『塊根植物界の重鎮』とも呼べる3品種です。
検疫を通過し、封を開けた瞬間。
その種子の粒からすら、ただならぬオーラと野生の香りを感じました。
今回はこの素晴らしい品種の紹介と、私たちが向き合う「輸入のリアル」についてお話しします。

目次
塊根界の「重鎮」ラインナップ
今回、私が厳選し輸入を手配したのは以下の3つです。
1. Adenia pechuelii(アデニア・ペチュエリー)
ナミビアの荒野に鎮座する、まさに「重鎮」の名にふさわしいウリ科の希少種です。
パキポディウムのような滑らかさとは対極にある、ゴツゴツとした岩塊のような塊根部が最大の特徴。
現地では「象の足」とも形容されるその姿は、植物というよりは「生きた彫刻」です。
成長は極めて遅く、種子からあの風格ある姿になるまでには気の遠くなるような歳月が必要です。
だからこそ、実生でゼロから育てることにロマンがあります。
入手困難な種子の一つです。

2. Adenium socotranum(アデニウム・ソコトラナム)
市場に多く出回るタイなどで改良された園芸種(アラビカム等)とは一線を画す、イエメン・ソコトラ島の固有種としてのDNAを持つ純血の原種です。
成長は非常に遅いですが、その分、幹の肥大と風格は他のアデニウムを圧倒します。
「本物のソコトラナム」を、種からじっくり育てる。これ以上の贅沢は園芸家として存在しないかもしれません。



3. Pachypodium namaquanum(パキポディウム・ナマクアナム / 光堂)
そして、冬型パキポディウムの代表格、「光堂(ハーフメン)」。
現地では「半分人間」と呼ばれる、北の方角へ首を傾けるあの一本立ちのシルエット。
輸入株(現地球)は非常に高価で、かつ発根管理が難しい品種ですが、国内実生であれば日本の環境に順応させやすく、その独特な成長をゼロから見守ることができます。
個人輸入の壁と、種子の「リアル」
さて、「種子 輸入」と検索してたどり着いた皆様には、正直にお伝えしておきたいことがあります。
これら希少種の種子は、国内ではほぼ手に入りません。
必然的に海外からの輸入になりますが、そこには常に高いハードルが存在します。
CITES(ワシントン条約)の確認、検疫証明書(Phytosanitary Certificate)の手配、そして何より「鮮度のリスク」です。
海外のセラーから届く種子が、本当に採れたてなのか? それとも時間が経っているのか? それは播種してみるまで、誰にも分かりません。
どれだけ経験を積んでも、発芽率は常に「未知数」であり、輸入にはギャンブルの要素が付きまといます。
一人で輸入を行い、一人でリスクを背負い、発芽しなかった時に一人で落ち込む。
これは植物輸入の「あるある」ですが、実はとても非効率的だと私は考えています。
「未知」を共有する場所、P-iiC
だからこそ、私は植物輸入情報コミュニティ「P-iiC(ピーク)」を運営しています。
輸入は一人で戦うものではありません。
「どこのナーセリーの種子が新鮮だったか」
「今回のロットの発芽率はどうだったか」
「輸入手続きでトラブルは起きなかったか」
こうした成功体験も失敗談も、すべてデータとしてコミュニティで共有することで、私たちは「不確定要素」を減らすことができます。
時には共同輸入を行い、コストやリスクを分散することも可能です。
もし今回の種子の発芽率が悪ければ、コミュニティ内で「ここのセラーは要注意だね」と笑って次の糧にし、もし爆発的に芽が出れば、「これは奇跡の神ロットだ!」と全員で喜び合う。
そんな「実験と検証」も含めて楽しむのが、and Plantsのスタイルであり、P-iiCの醍醐味です。
挑戦者求む
今回の「重鎮」たちも、リスクを承知で仕入れた挑戦の証です。
「リスクを承知で、それでもこの素晴らしい品種に挑んでみたい」
「もし発芽しなくても、ひとつの実験データとして楽しめる」
今回は、そんなチャレンジャー精神あふれる方へのご提案です。
準備が整い次第、販売を開始します。
もしあなたが「もっと深く輸入の世界を知りたい」「仲間と情報を共有したい」と思うなら、ぜひP-iiCの扉を叩いてみてください。
毎月、1日から1週間のみ入会を解除しています。
冬の夜長に、難関種への挑戦、そして深淵なる輸入の世界へ踏み出してみませんか。
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